病気になって変わった「成功」の意味 #28

病気になって変わった「成功」の意味 #28

病気になる前の私は、

成功とは、

会社を大きくすること。

売上を伸ばすこと。

人を増やすこと。

結果を出すこと。

そういうものだと思っていました。

もちろん、今でもそれを否定するつもりはありません。

会社を経営していれば数字は大事です。

利益も必要です。

人を雇えば責任もあります。

でも、

何度もがんになり、

再発し、

脳腫瘍になり、

移植まで経験すると、

「成功」という言葉の意味が少し変わりました。

昔は「増やすこと」が成功だった

若い頃は、

とにかく増やしたかった。

売上。

社員。

拠点。

仕事。

人脈。

事業。

増えれば増えるほど、

自分は前に進んでいると思っていました。

忙しいことも、

ある意味では誇りでした。

予定が埋まっている。

電話が鳴り続ける。

誰かから相談される。

次の事業を考えている。

そんな毎日が、

自分らしいと思っていました。

でも今は、

少し違います。

今は「何をやらないか」も大事になった

病気になってから、

全部やる必要はないと思うようになりました。

会う人。

受ける仕事。

使う時間。

引き受ける責任。

昔なら、

「せっかく来た話だから。」

「まだできるから。」

と全部抱えていたと思います。

でも今は、

「これは本当に自分がやることなのか。」

と考えるようになりました。

時間にも、

体力にも、

限りがあります。

だったら、

何でもやるのではなく、

自分が本当にやりたいことに時間を使う。

そのほうがいい。

それは病気になって初めて分かったことかもしれません。

売上より「面白いか」

昔は、

新しい仕事の話が来ると、

まず数字を考えていました。

どれくらい売上になるか。

どれくらい利益が出るか。

どこまで大きくできるか。

今は、それだけではありません。

「それ、面白いのか。」

「自分がやりたいのか。」

「その人と一緒に仕事をしたいのか。」

そういうことを以前より大事にするようになりました。

数字はもちろん必要です。

でも、

数字だけでは動かなくなった。

これは、自分でも大きな変化だと思います。

人との付き合い方も変わった

病気を経験すると、

誰と時間を使うかも変わります。

無理に付き合う。

気を使い続ける。

会いたくない人に会う。

昔なら、

仕事だから仕方がない、

と思っていたこともありました。

でも今は、

限られた時間を、誰と使うか。

それを以前より考えるようになりました。

本当に信頼できる人。

一緒にいて楽しい人。

刺激をもらえる人。

困った時に助けてくれる人。

そして、

自分も助けたいと思える人。

そういう人との時間を大事にしたい。

人脈の「数」より、

関係の「深さ」

のほうが大事になりました。

「まだ働くの?」と言われることもある

これだけ病気をしていると、

「もう仕事しなくてもいいんじゃないですか。」

と言われることがあります。

でも、

私は仕事をやめたいわけではありません。

むしろ、

まだ仕事はしたい。

ただし、

昔と同じ働き方をしたいわけではありません。

無理をして、

何でも抱えて、

身体を削ってまで働く。

それはもう違う。

今は、

自分が面白いと思える仕事を、できる範囲で続けたい。

それが今の考えです。

病気になって、野心がなくなったわけではない

病気になると、

「もう欲がなくなったんでしょう。」

と思われることがあります。

でも、

私はそうではありません。

まだやりたいことがあります。

まだ挑戦したいこともあります。

まだ仕事もしたい。

まだ人とも会いたい。

ただ、

野心の向きが変わったのだと思います。

昔は、

「どこまで大きくできるか。」

今は、

「どれだけ自分らしく面白く生きられるか。」

そこを考えるようになりました。

私にとっての成功

今の私にとって、

成功とは何か。

会社の規模でもない。

売上だけでもない。

肩書きでもない。

自分で選んだ仕事をして、

会いたい人に会って、

まだ挑戦したいと思えていること。

それが今の私にとっては、

十分な成功なのかもしれません。

病気になって、

人生を小さくしようと思ったわけではありません。

むしろ逆です。

余計なものを減らして、やりたいことをもっとはっきりさせたい。

そう思うようになりました。

これから先、

何年あるかは分かりません。

だからこそ、

何となく過ごすのではなく、

「これは自分がやりたいことだ。」

と思えるものを選んでいきたい。

それが、

何度も病気を経験した今の私の人生観です。